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新鋼種 SWCH 10AM・10CR
調質ボルト

酸浸漬による遅れ破壊比較試験


(1)試料

10CR材    M6×30 n=5
SCM435材   M6×30 n=5 

(2)試験内容

ホンダ向けボルト遅れ破壊試験方法に則って試験を行った。
1、締付け条件
締付け試験にて破断トルクを確認。(n=5での最小値)
締め付けトルク=破断トルク(n=5での最小値)×0.8
2、浸漬条件
0.1N塩酸(水道水1000cc+濃塩酸(35%保証)9ccの割合)に浸漬
翌日、浸漬液を新品に交換
以後、2〜3日毎に浸漬液を交換
200Hr時点にて、締付けトルクの半分程度のトルクで増締めを行い、ボルト破断の有無を確認する
3、判定(規格)
200Hr以内にボルトの破断なきこと。(浸漬液交換毎に確認)
200Hr後に行う増締めで破断なきこと

(3)試験条件

破壊トルク試験を実施(n=5)、各試料の最小値から締付けトルク及び200Hr後の増締めトルクを算出した。
材質 サイズ 破断トルク(最小値)×0.8=締付けトルク 200Hr後の増締めトルク
10CR M6×30 34.2N・m×0.8=27.4N・m 27.4÷2=13.7N・m
SCM435 M6×30 31.4N・m×0.8=25.1N・m 25.1÷2=12.6N・m
※小数点以下2桁目はJIS Z8401数値の丸め方によって丸めた値とする。

(4)試験日程

下記の日程にて試験を実施した。
月  日 内容 経過時間 内容実施時間
3月22日
23日
24日
25日
26日
27日
28日
29日
30日
31日
(浸漬開始)
(浸漬液交換)

(浸漬液交換)


(浸漬液交換)

(浸漬液交換)
(浸漬終了)
    0 時間
24
48
72
96
120
144
168
192
210
(PM 6:00)
(PM 6:00)

(PM 6:00)


(PM 6:00)

(PM 6:00)
(AM 10:00)


(5)経過写真

浸漬液交換時に試料の様子を確認(25日目以降) 

SCM435材 10CR材

 3日目(3月25日)
どちらの材料にも、外観的に差異は確認できない。 両試料ともに破断はなし。

 6日目(3月28日)
SCM435材が10CRより、若干ツバ部の痩せが確認できる。
両試料ともに破断はなし。

 8日目(3月30日)
SCM435材が10CRより、明らかにツバ部が痩せており、ねじ部に関しては若干の痩せが確認できる。 両試料ともに破断はなし。

 9日目(3月31日)
SCM435材が10CRより、明らかにツバ部及び、ねじ部が痩せていることが確認できる。 両試料ともに破断はなし。


(6)試験結果

今回の遅れ破壊試験では、どちらの試料も試験条件を満足しており、特に問題はないと判断致します。
ただ、比較試験という観点から判断いたしますと、下写真からも確認出来ますように、10CR材はSCM435材よりも腐食率が低く、また、増締め試験においても、10CR材は締め勝手が良く、その後の戻しトルクもSCM435材は8〜10N・mに対し、10CR材は18〜20N・mと、増締めが十分にかかっており、塩酸による耐腐食性はSCM435材よりも10CR材の方が優れていると判断できます。


(※)試験後の外観写真

←SCM435材






←10CR材

 SCM435材  10CR材

今回の試験は、開始時間の関係より200時間以上(実質210時間)の試験となりましたが、同条件での試験であるため、比較試験としては、問題ないと判断致します。

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